株式会社クオルテック
2024年12月10日 11時00分

株式会社クオルテック(本社:大阪府堺市、代表取締役社長:山口友宏、以下「クオルテック」)の資本業務提携(2023年12月19日締結)先である立命館大学発ベンチャー、Patentix株式会社(本社:滋賀県草津市、代表取締役社長:衣斐豊祐、以下「PATENTIX」)は、ルチル型二酸化ゲルマニウム(r-GeO₂)単結晶薄膜上に、ショットキーバリアダイオードを形成し、その動作を確認することに成功しました。
これはr-GeO₂で実現された世界初の半導体デバイスであり、r-GeO₂パワー半導体デバイスの実現に向けた重要な一歩です(2024年11月27日付)。
<本技術の背景>
現在、私たちが使用している家電製品や電気自動車のモーターには、パワー半導体を用いた様々な電力変換回路で変換された電力が用いられています。電力を変換する際に発生する熱は電気エネルギーの損失です。発電所から私たちが使うまでには何度も電力変換が行われているため、その損失を低減することは脱炭素社会の実現において重要な課題となっています。
従来パワー半導体に広く使われていたシリコン(Si:バンドギャップ1.12eV)は物理的な限界に達しており、バンドギャップが3.3eVと広いシリコンカーバイド(SiC)や窒化ガリウム(GaN)を用いたパワー半導体デバイスへの置き換えが進んでいます。近年、急速に普及しているSiCは、Siに比べて約40%の省エネ効果があるとされていますが、バンドギャップが4.6eVとさらに広いr-GeO₂を用いることで、SiCを上回る省エネ効果を得られると期待されています。また、r-GeO₂と同程度のバンドギャップを持つ半導体として、酸化ガリウム(Ga2O3)の研究が広く行われていますが、r-GeO₂は酸化ガリウムでは困難とされる不純物ドーピングによるP型の発現が理論的に予測されており、より幅広いデバイス応用が期待されます。
PATENTIXでは、r-GeO₂にドナー型不純物を導入することで、1×10の18乗から1×10の20乗[cm-3]という高濃度のN型ドーピング(N+ドーピング)を達成していましたが、r-GeO₂を用いた半導体デバイスを実現するには、ドナー不純物濃度が1×10の17乗[cm-3]以下のN-層の実現が不可欠であり、r-GeO₂を用いた半導体デバイスの動作実証も未達成の状態でした。
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